叩き彫とは?
「叩き彫」は独特の名前です。 言葉自体は一般的なものから生まれたわけですが そう名乗るようになった歴史があります。 終戦間もない 昭和20年代の初め 開拓入植地で慣れぬ農業をしながら 木彫に励んでいた祖父、初代山田昭雲 本名・哲(さとし)(1901~1964)の所へ、そのうわさを聞いて棟方志功先生が訪ねて来ました。 棟方先生は板画(木版画)と称して 彫刻刀を使いどんどん彫りますが昭雲はノミを金槌で叩いてコンコン刻んでおりました。 棟方先生に板画もやろうと誘われ 手がけてみましたが先生の如く力強い線を出すには ノミで叩くのが昭雲にとっては自然な事でした。 それを見た棟方先生は「あなたのは叩き彫だね。」と言われました。 この時から 「叩き彫 山田昭雲」が生まれたのです。 この偶然によって生まれた「昭雲 叩き彫」の名を その息子(2代目昭雲 本名・正志1925~2008)が受け継ぎました。 父2代目昭雲の叩き彫は 祖父の木彫(仏像など)と 棟方志功先生の 板画から生まれた 独特の世界です。 叩き彫3代目 尚公 (なおきみ)の叩き彫は 祖父の作風を今に伝えるものです。